痛風と言えば「プリン体」でもプリン体とはそもそも何?

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ビールのCMで話題になってからか、痛風とプリン体ってセットで語られることが多いですよね。
冒頭のビールでも、プリン体カット!というのはもはや枕詞のようになってきている感もあります。
今ではプリン体が痛風にとって良くない、またプリン体の過剰摂取が痛風を引き起こしやすくする、というのは常識のようになっていますが…。
ではそもそもプリン体って何?と言われるとちょっと言葉に窮します。というわけで、今回はプリン体と痛風について、今一度おさらいをしてみます!
目次
そもそもプリン体って身体に必要なものなの?
プリン体って名前だけ聞くと、可愛いし、なんか甘そうだから過剰に摂ると良くなさそうだな~って感じはします。
しかし、本当のところ、プリン体って私たち人間の身体にとって、どのような存在なのでしょうか?そもそも私たちに必要なものなのでしょうか?
プリン体は核酸を作る!…けど多すぎると…
プリン体と言うのは、穀物に含まれることがよく知られていますが、穀物の他では、肉・魚・野菜など、実は食物全般に含まれている成分です。
人間の胎内でも生成・分解が繰り返されている成分でもあります。
それはなぜか?それは、プリン体が生物の「核酸」を構成する主成分であるからです。
生物の核酸を構成しているこのプリン体は、食物では「うまみ成分」として残ることになります。
先述したように、私たち人間の体内でも生成・分解されている成分なので、人間は食物から過剰にプリン体を摂取した場合、通常は体内で分解後、尿酸として体外に排出する仕組みを持っています。
しかし、このプリン体の分解によってできた尿酸の量が、身体の排出能力を超えてしまうと、余剰の尿酸は体内に蓄積をされてしまいます。
こうしてどんどんと溜まった尿酸が痛風の原因になると言われているのです。
ビールの特徴として「プリン体カット」を推すのは、ビールや発泡酒に麦芽由来のプリン体が含まれているから。
通常のビールには、100mlあたり約5~10mg程度のプリン体が含まれているとされています。(発泡酒にはこの半分程度)
この量を考えると、実はそんなに多い量ではないのですが、毎日ビールや発泡酒、醸造酒などを飲む人は、その他の食品から摂れるプリン体と総合して、最終的にプリン体の量が過剰になり、痛風になる危険度が高くなるとされているのです。
プリン体と痛風、ホントのところ
一昔前までは、痛風患者さんにはプリン体を多く含む食品と言うのは摂取を控えるように指示をされるのが普通でした。
しかし、ここ最近の研究で、実は食品に含まれるプリン体というのは、そのほとんどが腸管内で分解されるということがわかってきたのです!
これはどういうことかと言うと、実は人間の体内においては、外部から摂取するプリン体よりも、体内で合成されるプリン体の方がはるかに多いということがわかった、ということ。
実際に食べ物からのプリン体を制限した人の、血中の尿酸値をはかったところ、尿酸値は1.0mg/dl程度しか低くならないということもわかってきたのです。
また現在は、尿酸をコントロールする薬剤の開発がなされ、痛風患者さんの食事によるプリン体の制限は緩和の方向にあるのが事実です。
だからと言って過剰摂取はやっぱり良くない…!
先述で、外部からのプリン体の摂取が実は尿酸値の上下に大きな影響を及ぼしていないのでは…?とご紹介しましたが、かと言ってプリン体を日々過剰摂取し続けるのはやはり問題。
食品からのプリン体摂取は1日につき400mgを超えないようにという指針もあるので、そこにはしっかり気を付けましょう。
具体的には、食品100g中に200mg以上のプリン体を含む食品は積極的に摂らないという注意は必要です。
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管理人:水野仁志

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