痛風とプリン体の関係について

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プリン体とはプルプルしていて美味しそうな名前ですが、実はこれがくせ者。痛風の原因になる尿酸の原料と言ってもいい物質なのです。
とは言ってもプリン体は様々な食品に含まれており、むやみに怖がるべき物質でもないのです。
ではプリン体とは一体何者なのか、痛風とプリン体との関係を調べてみましょう。
目次
尿酸の原料となるプリン体
化学的に説明を始めると「プリンヌクレオチド」などややこしい核酸の話になってしまうので、要点だけにすると、プリン体とは食品に含まれる旨味成分の1つです。
ちょっと難しく言うと、生命体のDNAを構成する「塩基」の一種である「プリン塩基」の事です。
このプリン体は体内で分解されると尿酸を生成します。尿酸は血液などの体液中に誰でも持っていますが、問題はその濃度で、血液中の濃度が通常より高い状態が続くと、高尿酸血症となり痛風を引き起こします。
そこで痛風の予防には、プリン体の摂取量を制限すべきだという考え方が出て来ました。
一般的な食品に含まれるプリン体の量を、主な物だけですが比較してみましょう。いずれも100gあたりの含有量です。
食品中のプリン体含有量
肉類に含まれるプリン体
鶏レバー312mg・鶏もも122mg・豚バラ76mg・豚ロース90mg・牛もも110mg・牛ヒレ98mg
魚類に含まれるプリン体
カツオ211mg・マグロ157mg・アジ165mg・サバ122mg・サンマ154mg・ウナギ92mg・煮干し746mg
野菜に含まれるプリン体
ほうれん草51mg・もやし45mg・ブロッコリー70mg・オクラ40mg・干し椎茸380mg
酒類に含まれるプリン体
ビール3~7mg・発泡酒0~4mg・日本酒1mg・焼酎0mg・ワイン1mg以下・ウィスキー1mg以下
その他
白米26mg・豆腐31mg・鶏卵0mg・牛乳0mg・納豆114mg・ハム74mg
プリン体の制限は必要か?
いわゆる旨味成分の代表食品である煮干しや干し椎茸には、さすがにかなり多く含まれていますが、これらの食品はだしをとる目的で使うので、そんなに大量に食べる事はありません。
それ以外で含有量が目立つのは、鶏のレバーと魚類でしょうか。レバーは鶏、豚、牛のいずれでも高い値です。
イメージとは全く違って、お酒には極めて微量のプリン体しか含まれていません。特に痛風に良くないと言われるビールでさえ、500ml缶でも最大で35mgですから、もやし100gと大差ないのです。
逆に健康にいいと言われる野菜や魚類に、意外に多くのプリン体が含まれている事も分かります。
痛風治療中の人や痛風の疑いがある人は、1日のプリン体摂取量は400mg以下に抑えるという医療指針があります。
食品の種類ごとの大まかなプリン体含有量を意識しながら、プリン体の過剰摂取に気をつけるべきでしょう。
酒類はプリン体の含有量自体は少なくても、アルコールとの反応により尿酸値を高めるといった研究結果もあるそうです。
痛風は怖いけどお酒はやめられない、そんな人はビールを控えて、焼酎や日本酒を楽しんだ方がいいかもしれません。
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管理人:水野仁志

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